瀬部孝名誉教授 叙勲
おめでとうございます。



法政大学工学部名誉教授である瀬部孝先生が秋の叙勲2000年11月3日秋の叙勲で勲三等旭日中綬章を受賞されました。計測制御専攻(現システム制御工学科)だけではなく、工学部そして大学全体の教育、研究、運営に対する先生の多年にわたる貢献が、功績として広く社会に認められたということであり、我々にとっても極めて喜ばしいことであります。先生は、昭和24年4月10月から法政大学第一教養部専任講師として着任され昭和39年4月には、現工学部助教授、昭和43年には、計算センタ副所長、昭和57年には、工学部長、昭和59年には、イオンビーム研究所所長にもなられておられます。
受賞は、先生の名誉であると同時にわがシステム制御工学科教室としても大変名誉であり、卒業生にもまた大きな喜びであります。この喜びをシステム制御工学科教室とシステム制御工学科同窓会ともに祝いたいと思います。

 
瀬部孝先生の叙勲を祝して
法政大学工学部
システム制御工学科
主任 春日隆 教授
 このたび、本学名誉教授である瀬部孝先生は、長年の教育研究における功績により、勲三等旭日綬章を受賞されました。システム制御工学科を代表して心からお祝いを申し上げます。
 瀬部先生は、新制大学が発足した昭和24年に法政大学第一教養部に専任講師として着任されました。その後、昭和39年に工学部の小金井移転とともに、工学部に移籍され、平成6年に定年となられるまで45年以上を法政一筋に、電気工学科計測制御専攻教授として御活躍されました。先生の履歴書が、計測制御専攻そしてそれに続くシステム制御工学科の発展、さらに工学部の歴史そのものであると言っても過言ではありません。その間には、計算センターそして全国に先駆けた共同利用研究施設としてのイオンビーム工学研究所の発足に尽力されました。また昭和57年には工学部長として工学部の運営に当たられ、大学院の拡充をもはたされました。教育においては、皆様ご存じのとおり、単に計測制御専攻の教授として専門分野に尽くされただけではなく、電気工学科の、そして広く工学部全体の物理学の教育者として、自然科学の基礎教育の根幹を作られ、育ててこられました。また研究面では、原子核の構造の研究という、物質の究極にせまる非常に難しい仕事を一貫してなさってこられました。名誉教授となられてからのことですが、世界で最も権威があり審査の厳しい科学雑誌に計算結果を投稿したとのお話をお聞きしたことが強く印象に残っております。教育と研究、そして学部・専攻の運営の三つを立たせるには、並々ならない苦労があったことは想像に難くありません。
 電気工学科計測制御専攻は、現在は学科として独立をはたし、システム制御工学科として発展しております。また小金井キャンパスには、本年度から工学部8学科に加えて、情報科学部2学科が加わりました。そして新校舎を使った工学部1年生の小金井での授業化、大学院進学の大幅な増加など、小金井は大きく変わりつつあります。
 21世紀をリードする技術者、科学者を育てることが我々の勤めと考えておりますが、瀬部先生には経験を生かした良きアドバイスとお叱りを期待しております。

 
瀬部孝先生の叙勲を祝して
法政大学工学部システム制御工学科   坂倉守教授
 本大学名誉教授瀬部孝先生は平成12年度秋の叙勲において勲三等旭日中受賞に叙勲されました。永年にわたる先生の教育、研究、および、大学、学部運営に対する業績が評価された結果であると思われ心からお慶びを申し上げます。
 瀬部孝先生は昭和24年9月九州大学大学院理学専攻を修了後、同年10月より法政大学第一教養部専任講師に就任され、昭和27年4月助教授に昇任されましたが、昭和39年4月法政大学工学部に移籍、昭和40年4月教授に昇任され、以後、法政大学計算センター所長、工学部長、法政大学イオンビーム工学研究所所長を歴任され、終始、法政大学と工学部の発展のために日夜努力されました。先生のこの御姿勢は平成6年3月定年退職されるまで変わりなく持続された精神力の強さは印象深いものでした。退職後は法政大学名誉教授に推挙されましたが今日に至っても尚ご研究に精進されていると伺っています。
 先生は原子核物理学を研究され、特に、殻模型による軽い原子核の構造に関する研究ではわが国における権威者の一人として多大の成果を挙げておられます。また、共同研究を通じて法政大学の学生ばかりではなく、法政外の若手研究者(東大、東工大、都立大、日大、青学大等)の育成に多大なる貢献をなされていることも忘れてはならないでしょう。
 大学、学部運営では、町田校地を活用しての学部、大学院の拡充を推進したり、私大設備助成を積極的に活用して研究教育設備の一層の充実強化に務められました。その成果が工学部の学科構成、計算センターおよびイオンビーム工学研究所の形で今に残っています。これらが今後の工学部の展開の核として発展させるのがわれわれ後輩教職員の勤めであると思います。先生のご壮健と一層のご活躍をお祈り申し上げ、今回の叙勲をお祝い申し上げます。